溺愛依存~極上御曹司は住み込み秘書を所望する~
翌日の金曜日。広海さんの熱がひと晩で下がったと聞き、安心する。けれど頼みの綱である彼は休み。のんびりしている暇はない。すぐに週明けに使用する資料の作成に取りかかった。
しかし、ひとつの業務に没頭するわけにはいかない。電話やメールの応対、それに加えて郵便物の受け取りに仕分けなど、やらなければならないことは山のようにある。資料作成がスムーズに進まないことを歯がゆく思っていると、専務室のドアがカチャリと開いた。
「雨宮さん。すべての案件に目を通し終わったから後はよろしく。少し早いけれど昼休憩取るから、なにか困ったことがあったら遠慮しないで携帯に連絡してくれ」
今の時刻は午前十一時三十分。忙しい彼が正午前に昼休憩を取るのは珍しい。
「はい。承知いたしました。いってらっしゃいませ」
「うん。行ってきます」
忙しい私を気にかけてくれた彼を見送り、引き続き業務にあたる。
異動したばかりの頃に比べれば、少しは段取りよく業務をこなせるようになってきているとは思うけれど、まだまだわからないことも多い。
デスクワークを手際よく終わらせて、早々と昼休憩に行った彼と自分との力量の差に落ち込んでしまったものの、すぐに気を取り直すと資料作成の作業を続けた。