溺愛依存~極上御曹司は住み込み秘書を所望する~
「時間がなくてサッと選んでしまったから少し不安だったけれど……。うん。よく似合っている」
パールのネックレスを身に着けた私の姿を見た彼が、満足げに何度もうなずく。
相変わらず褒め上手な彼の言葉がくすぐったくて、顔を真っ直ぐ見ることができない。
慌てて視線を逸らしてうつむくと、あるひと言に引っかかりを感じた。
「専務? さっき『時間がなくて』って言いましたけれど、もしかして今日の昼休憩のときにこれを?」
「うん、そう」
顔を上げて尋ねると、彼が照れたように笑った。
忙しい彼が今日に限って正午前に昼休憩を取るのは珍しいと思っていたけれど、まさかこのパールのネックレスを選びに行っていたなんて……。
「専務……。ありがとうございます」
言葉に詰まりながらお礼を伝える。
込み上げてくる感情がなんなのか自分でもよくわからない。ただ何万回『ありがとう』と言っても足りないと思いながら頭を下げた。すると上半身を屈めた彼に顔を覗き込まれる。
「俺からのプレゼント、気に入ってくれた?」
「はい。もちろんです」
「それはよかった」
姿勢を正した彼の顔に朗らかな笑みが浮かんだ。
創立記念パーティーの会場に向かう社用車の後部座席に座る私の横顔に、西日があたる。
ちっとも治まらない頬の火照りを誤魔化すには丁度いい。そう思った。