【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

多分、彼のような人間は、一生自分の犯した罪を悔いることはないんだろうな。
だが、なんとかしておじさんや綾香達を苦しめたことを認めさせたいと思った。
秋人の姿が見えなくなると、綾香はポツリと呟く。
「……これで事件は解決したのですね」
その目はどこか寂しげで、おじさんのことを考えているんだと思った。
「綾香、実は!?」
おじさんのことを彼女に伝えようとするも、剣持さんの声に遮られた。
「あ～、この騒ぎで腹減った。何か肉をガツガツ食いてえ」
「俺は彼女を医務室に連れて行きますから、三人で近くのステーキハウスにでも行ったらどうですか？」
俺がそう提案すれば、大谷さんが「じゃあ、ミーティングを兼ねて経費で落とそう」とにっこり微笑んだ。
「さすが大谷さん、話がわかるな。五百グラムは食べてやる」
剣持さんが目を光らせれば、藤原が苦笑する。
「剣持さん、五百グラムも食べたら胃もたれしますよ。明日社内の健康診断ですけど、大丈夫ですか？」
「ふん、健診なんて怖くないね。俺はいたって健康だからな。早く肉食いてえ」
藤原の指摘にも動じない肉食獣モードの剣持さんに、大谷さんがニコニコしながら突っ込んだ。