【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
彼の言葉に首を横に振った。
話し合いの必要なんてない。
恋人ならそうするかもしれないが、私と彼はそんな親しい関係ではないのだから。
ずっと望んでいた婚約解消がこんな形で実現するなんて、皮肉よね。
人生って何が起こるかわからない。
もっと父のことで悲しむと思っていたのに、遺体がないせいか、何も感じないのだ。
あの火事で私は心もなくしてしまったのかもしれない。
私の目には空も建物も木も……全てが、灰色に見えた。
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