【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
……ということは、彼と一線は越えてませんのね。
氷堂の回答を聞いてホッと胸を撫で下ろす。
でも、んん?
これで安心していいのかしら? なにか大事なことを忘れてません?
ええと……私がお風呂で湯あたりして、氷堂がこのベッドに運んだ。
それは紳士的な行動で素晴らしいわ……って、私、氷堂に裸を見られたってことですの?
「なんてこと! もうお嫁にいけませんわ~!」
そう呟いてギュッと自分の身体を抱けば、「もう半分俺のところに嫁に来てるようなものだけどね」と氷堂がクスッと笑って突っ込んだ。
「笑わないでください! 裸を見られて……ショックなん……ですから」
彼を注意するも、恥ずかしさのあまり声が尻すぼみになる。
「見たといえば見たけど、あの時は綾香がのぼせて大変だったし、じっくり堪能する余裕はなかったなあ。でも、綾香スタイルいいし、胸もあるよね?」
氷堂は私をじっと見てニヤリとするが、その視線を受け止める余裕なんてない。
「ああ~、もうしっかり見てるじゃありませんか? 破廉恥ですわ!」
耳を塞ごうとするも、彼の目がキラリと光って間合いを詰められた。
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