【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
「そうだね。フランス政府との交渉となると、副社長だな。詳しい日程を僕の方で調べてみるよ」
「頼みます。鈴木さん、大谷さんから日程聞いたら、アレンジお願い」
横にいる綾香に目を向ければ、彼女は小さく頷いた。
「わかりましたわ」
もうスケジュール管理はすっかり彼女任せになっている。
それからしばらく打合せをしていたのだが、電話が鳴って彼女が応対した。
「大変お待たせして申し訳ありません。海外戦略室の鈴木です。……もしもし? もしもし?」
綾香が首を傾げながら受話器を置く。
「どうしたの?」と声をかけたら、彼女は困惑顔で答えた。
「受付から私宛の電話が転送されたんですけれど、出たらすぐに切れてしまって……」
その言葉を聞いて大谷さんと目を合わせた。
ひょっとしたら花山院秋人か彼の手の者なのかもしれない。
だとすると、彼女が『鈴木』と名乗っているのも気づいているということか。
「変な営業の電話がかかってくることも多いからね。また受付から鈴木さん宛の電話が転送されてきたら、他の男性社員に変わってもらって。あと、誰か知らない人が訪ねて来ても、ひとりで対応しないこと」
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