わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜


次の日、兄は試合だからと朝から実家を出、帰って行った。

母は近所に用事があるからと出て行き、父が夏の高校野球の中継を見ている。


懐かしい感覚が蘇る。

甲子園で完封勝利を挙げた後、スタンドの下に挨拶に来た悠がわたしを見たときの瞳…。
あの瞳はまっすぐわたしに向けられていた。

「俺、やったぞ。美湖。ズケェだろ?」

って。

背を向けてベンチに戻っていく悠の背番号が眩しかった。
あの背番号『1』はわたしがつけたんだよ。って。みんなに言いたかった。

だから…甲子園で3回戦で悠が無気力な負け方をした後、家に帰るときに振り払われた左腕を…わたしは呆然と見つめるしかなかった。

何があったのか…わからなかった。


なんで?
わたしのこと嫌いになったの?

悠が有名人になって、女の子たちが群がるようになって…
余計にその気持ちは強くなった。


もうわたしなんてどうでもいいのだろう。
うっとおしいんだ。幼馴染の女子がいるなんて。


けど…悠のことが好きな気持ちに嘘はつけない…
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