素肌に蜜とジョウネツ
3、君には意地の悪い自分が出てしまう

常盤国ホテル、フロントにて。勤務中の藤子と美山。

美「瀬名さん、顔が酷いです」
藤「美山ちゃん、言葉が酷いです……」
美「だって、昨日以上に顔が疲れてますよ?何だか怖いです」

お客様が周りからいなくなった瞬間、美山ちゃんに言葉のボディーブローをいれられる藤子。

昨日以上に顔が疲れてる……?
そりゃそうさ、昨夜、あんな面倒な展開が私の身にふりかかってきたんだから表情も浮かないよ。
しかも、家に居ても仕事に来ても、建物内に私の表情を浮かなくする原因を持つ張本人がいるんだから、憂鬱極まりないよ……
(藤子、昨夜のことを思い出して披露した表情)

美「今度、私の行きつけのエステサロン紹介しましょうか?」
藤「あぁ~…肩とか腰とかも揉んでくれるかなぁ~…」
美「何か、瀬名さんが発言するとめちゃくちゃババくさいです」
藤「逆に聞きたいけど、美山ちゃんは何でそんなに歳相応にピチピチプリプリしてるの……?」

美山ちゃんは、出勤してロッカールームで会う時なんて、何時も太陽の様に晴れ晴れしたスマイルで登場。
昨日あまり寝てないんです~なんて言ちゃってる日でも、肌は潤い十分。オーラも輝いてる。そんなに歳も変わらないのに、ホント、この違いは何―…?

と、美山ちゃんを見る藤子。

美「そうですねぇ、自分が特別に肌が綺麗だとは思ってないですけど―…エステ行ったり、家でのケアも入念にしてるほうだと思います」
藤「ふ~ん……じゃあ、美顔器でも買おうかな……」
美「あ、でも、一番はやっぱりアレですね!」
藤「何、アレって」
美「恋ですよ、恋!」

テンション高めに言う美山。

藤「こい……」

なんて今の自分に無縁な単語なのだろうと、呟きながら思う藤子。

藤「美山ちゃんって、彼氏と長いんだっけ?」
美「はい~高一の時からの付き合いです」
藤「そんなに一緒にいて、まだドキドキしたりすることってあるの?」
美「勿論ですよ!確かに、馴れみたいなものはありますけど、良い意味での安心感みたいなものです」
藤「彼のこと、好き……?」
美「大好きです!もぉ、瀬名さんったら、仕事中に何言わせるんですかぁ~」

そう明言すると、照れた表情で藤子の背中をバシッと叩く美山。

悔しいが恋する乙女の顔だ……
“大好き”
そんな風に明言できる相手がいれば、確かに身も心も潤うだろうなとは思う。
問題は何時何処でどの様に出会って、そういう感情に気付けるのかというとこか。
そんな事を考えると、藤子、自然に出る溜め息。

美「瀬名さん、社内恋愛で高輪マネージャーとかどうですか?」
藤「っ―…!」

いきなり美山の口から出た“高輪マネージャー”の名前。
思わず必要以上に反応してしまう藤子。

藤「な、な何で、高輪マネージャーの名前が出てくるのっ?」
美「だって瀬名さん、昨日、目を輝かせてたじゃないですか」
藤「いや、あれは―…っ」

微スマイルに騙されて!
と、必死に言い訳しようとする藤子だが、

美「でも既に競争率高いみたいですからねー。あのルックスで仕事も出来て優しくて紳士的となると、まぁ当たり前ですけど」

と美山。

ルックス、仕事が出来るは、いいとして―…

藤「優しい?紳士―…的?」

誰が?と、思ってしまう藤子。

美「早速、営業部のコからの情報なんですけどね、ミスに対するフォローだったり、上下関係なく周りへの気配りなんかが前いたマネージャーとは比べ物にならない位に良いらしいんですよ」
藤「良い……?」
美「はい。しかも、物腰も柔らかくて、話しかけると何時もにっこり微笑んでくれるみたいで~…」

私も朝、挨拶したらとっても素敵な笑顔が帰ってきましたぁ、と、美山。

藤「……」

あの、“高輪薫”が―…?
気配り?物腰が柔らかい?
いやいや、何かの間違いでしょう?
けど、ここで必死に否定するのも変だし……

藤「そ、そうなんだぁ~…」

と、とりあえず同調しておく藤子。

美「あれ?瀬名さん、また更に顔色良くないですよ?」
藤「……き、気のせいでしょう」
美「え、でも―…」
藤「美山“さん”、そろそろ私語はストップして、業務に集中しましょうかっ」

何だか、これ以上、彼の話題はしたくなくて、無理矢理話題を逸らしてしまう藤子。

藤「今ある事務処理、全部私がやっておくから!」
美「えっ、いいんですか?」
藤「うん。まかして」
美「何だか瀬名さん、いきなりやる気のスイッチが入りましたね」
藤「ま、まぁね……」

と、思考を仕事モードへと切り替えてみたものの、藤子の頭に浮かんでくるのは、噂の高輪マネージャーのこと。

美山ちゃんは、ああ言っていたけど、無愛想、
口が悪い、横暴、失礼―…
私の高輪マネージャーの印象はこう。
みんな一体、何を見て紳士的だとか優しいとか言っちゃってるわけ?
それとも、何?
あんな風に突っかかってくるのは私だけとか―…?
美山ちゃんが言うことが本当だとしたら、高輪薫は二重人格……?
ああ、もう、考えたくないのに、考えてしまう。
と頭の中は薫のことばかり。

でも、それよりも今、考えないといけないのは今夜のこと……
夕飯って、好き嫌いも知らない相手に対して、何を作れと―…?
この際、めちゃくちゃ不味い料理でも作って届けてやろうか。
けど、それはそれで、料理下手女のレッテルを貼られるのは嫌だというプライドもあったり……
ああ、もう何でこんなに私が悩まないといけないの?
そもそも、夜の副業さえ知られなければ、こんな事態にはならなかったのに……
って、そうだ!
一人分食べていくのが精一杯で、とても二人分のご飯を用意するお金がありません……
とでも言って、貧乏アピール作戦でいってみようか?
今夜はとりあえず、白米と漬物だけでも届けて、これが精一杯です的な演出をしてみて……
そうすれば、私に出前を頼むなんかよりも、本物の出前を頼んだほうが良い物食べれるって思うだろうし。
ヨシ。
その手でいこう……!

と、あれこれ企んでみた藤子。
本日の業務終了後―…

ロッカールームで着替えを済ませ、藤子は同時上がりの美山と一緒に職員専用通路を歩いている。
「瀬名さん」と、男の声に呼び止められた。

え。
この声は―…
そう思って振り向くと、

藤「っ!」

出た。高輪マネージャー!

薫「今日、瀬名さんがチェックインを担当したお客様の件で話があるんですが、ちょっといいですか?」
藤「えっ、私ですか?」
薫「はい。終業後に申し訳ないですが、時間はとらせませんので」

そう申し訳なさそうに高輪マネージャーが言う。

何?
そんな表情も出来るの……?
なんて、思ってしまう藤子。

そして、美山には、

薫「確か、フロントの美山さん―…ですよね?」
美「あ、はいっ……」
薫「帰宅途中なのに、ごめんね」

と、煌きスマイル。

そんな笑顔に美山も一気に頬をピンク色にしてる。

薫「じゃあ、瀬名さん。ちょっとこっちに」
藤「は、はい……」

何だか、とっても嫌な予感……
チェックインのお客様が~…とか言っていたけど、絶対そんな用事じゃない気がするんだけど……
色々と勘繰る藤子。

美山の姿が見えなくなったところで―…

薫「カレーライス」
藤「は?」
薫「目上の人間に対して、“は?”じゃねぇよ。今夜の夕食のリクエスト、カレーでいいから」
藤「……」

さっきの美山の前での柔らかな物腰から一転、何ともまぁ偉そうなリクエストが薫から。

藤「カレー……ですか」

何だか、意外と庶民的なリクエストだな。
何とかのムニエルとか、何とかの煮込みとか言いそうなタイプなのに……
カレーライス―…?
って、違う違うそこじゃない、断らなきゃ!
早速、貧乏人アピールしておかないと……
牛肉を買うお金が~とか何とかっ!
そう意気込む藤子。

藤「あの~…」

と、口を開こうとすると、

薫「とりあえず、これ」

という言葉と共に、差し出されたのは万札。

藤「え?」
薫「一日二千円として、取り合えず五日分の食費」
藤「……」

目の前の万札を前に、一日二千円とか自分の夕食分も浮かせるじゃん、
なんて思ってしまう藤子……
え、これってもしかしてオイシイ話?
そんなことを考えて黙っている藤子。

薫「何だよ。足りないの?」

と、財布を開きながら、高輪マネージャー。
そんな高輪マネージャーの行動に、

藤「いえ、十分ですっ」

と、つい言ってしまったものの、

藤「!」

それも違う違うっ!
そういう話じゃなくてっ!

藤「あ、あのっ、私達、会って間もないじゃないですか……!料理の腕前もよくわからない人間に何で夕飯なんて頼むんですかっ?一日二千円だったら出前とるか外食のほうが絶対良いですよ!」

金銭的事情とは別の方向で、お断りをするように話を進めないと……
と、若干、不本意ではあるけど、急遽、言い訳を“料理の腕前”に持っていこうとしてみた藤子。

薫「何?君、下手なの?」
藤「う……」
薫「まぁ、確かに料理上手な雰囲気は感じない、か……まさか、米もまともに炊けないとか?」
藤「なっ」

そんな風に言われて、ついつい、

藤「失礼なっ!確かに、一人暮らしを始めてからコンビニ弁当や惣菜が多いですけどっ、これでも高校時代の部活は料理クラブでしたし、人並みには料理は出来ますっ!」

と、熱弁してしまった間抜けな藤子……

薫「ふーん。じゃあ、問題ないじゃん」
藤「あ」

シマッタ……(藤子)

薫「そんなに自信があるなら、もっとテクニックを要する料理をリクエストしようかな。君の言う通り、腕前がわからないから、手始めにカレーから言ってみたんだけど」
藤「いえっ、カレーでいいです!私もカレーが食べたかったので!」
薫「じゃあ、いいよ。カレーで。一石二鳥で良かったな」
藤「あ、ハイ……」
薫「今夜、八時過ぎくらいに持ってきて」

そう命令すると、「じゃ」と、愛想の無い顔で藤子を見て、靴音を通路に響かせながら、さっさと去っていった高輪マネージャー。

そんな高輪マネージャーの後姿を見ながら、
はぁ~…
カレーで助かったぁ、
だって、自慢する程の料理の腕前があるのかって言われたら無いっていう現実だし―…
カレーで良かったぁ~
と、
暢気に安堵している場合じゃないのにっ……!
何、ムキになって承諾しちゃってんの私っ!?
心の中で思いっきり叫んで、あまりにもの自分の間抜けさに、思わず、その場にしゃがみ込んでしまう藤子。

ホント、ますますシマッタ……


という経緯を得て、その夜―…


仕事帰りにわざわざスーパーに寄って材料を買って、久々にカレーを作ってみた藤子。
そして今、隣人宅のドア前に作りたてのカレーを持って立っています……
何だか、このピンポンを押すのに躊躇してしまうけど、何時までもここに突っ立っていても仕方が無い。
そう思って、ふぅっ、と一つ深呼吸をして、ようやく高輪マネージャー宅のインターフォンを押した。

薫『―…はい』

数秒後、インターフォン越しに聞こえてきた、高輪マネージャーの声。

藤「せ、瀬名です」
『ガッチャッ―…!』
藤「―…」

名乗ると直ぐに荒く切られたインターフォン。

せめて、その後に一言あっても良くない?
こっちはリクエスト通りにカレーを届けてあげてんのに……
そう文句を心の中でぶつぶつと呟いていると、ドアが開く。

藤「―…っ!」

目の前には上半身裸の高輪マネージャーが。
下は半パンで、片手には缶ビール……

藤「な、な何で裸で出てくるんですか……っ」
薫「風呂上りなんだよ。別に全裸じゃないんだからいいだろ。いい年して男の上半身みたくらいで騒ぐな」
藤「さっ、騒いでません!」
薫「じゃあ、声のトーン下げろ」
藤「す、スミマセン……」

嫌だ。
身体が火照ってくる感覚―…
ただ、別に男の上半身を見た程度で、「キャーッ」とか可愛く騒げるほど、私も純じゃない。
今、どうしてこんなにも身体が熱くなっているのかというと、
目の前にいる高輪マネージャーの上半身裸姿が異様に艶っぽくて、
ずっと忘れていた感情が沸き上がってくる様な気がするから―…

まだ濡れた髪、
広く、たくましい胸板、
浮き出た血管―…

何だ。この感覚。
高輪薫を前に、くらくらしてのぼせ上がる手前の様な感覚の藤子。

薫「―…レー」

何で?

薫「……カレー」

私、もしや、欲求不満……?

薫「おい、カレー!」

藤「は、はいっ!」

ぼーっと突っ立っていると、高輪マネージャーの怒号に近い声でハッとしてしまう藤子。

薫「何時までもぼけっと突っ立ってんな。カレー、さっさと渡せ」
藤「……」

偉そうな口調にムッとしながらも、「どうぞ……」と、手に持ったカレーライス皿を高輪マネージャーにお渡しする藤子。

薫「市販ルーカレー……」

ラップされたカレー皿を見て、高輪マネージャーがポツリ。

藤「私は市販ルーカレーが好きなんです……」
薫「ふーん。まぁ、俺も好きだからいいけど」
藤「(ジャア、不満ソウニ呟クナ……!)」

またまたムッとしてしまった所で、とりあえず今夜の使命は果たしたし、さっさと部屋に戻ろう。
そう思って、

藤「お皿は紙袋か何かに入れて玄関横に置いておいてください……じゃあ、失礼します」

ペコリと頭を下げてドアを閉めようとした藤子。

と、その瞬間、ドアノブを掴む藤子の手首を、

藤「わっ……」

いきなり握ってきた高輪マネージャー。

ちょ、ちょっと……何!?動揺する藤子。

薫「あれ?もう帰るの?」
藤「か、帰り……帰りますよ!」
薫「何なら、身体でも払ってやろうか?」
藤「はっ……!?」

イキナリ何なの、この男っ―…!

藤「な、何言ってんですかっ……!」
薫「何って、君の場合、夕食代を身体で払ったほうがいいのかと思って。何だか俺の裸を見て、欲しそうな顔してたから」
藤「―…っ!!」

高輪薫の言葉に、ぼっと顔が熱くなる。

“欲しそうな顔”って―…

藤「そんな顔、してませんからっ……!」

と、否定しつつも、さっきの自分の思考回路を見透かされたかのようで恥ずかしくなる。

薫「ふーん。せっかく、俺が潤おしてやろうかと思ったのに」

藤子の手首を掴んだまま、破廉恥な発言をクールな顔でさらっと言う高輪薫……

藤「結構ですっ!だ、大体、高輪マネージャーは熟された女性の方が好みなのでは―…?!」
薫「は?」
藤「夜の店で会った時、そんなこと言ってたじゃないですか……!」
薫「ああ、あれね。確かに、どちらかと言うと完熟女性が好みではある」
藤「じゃあ、私なんかよりもそちらの女性を潤してくださいっ!」

高輪マネージャーの上半身を見た時の感覚が纏わりついてる。

今、手首を掴まれているという状況も手伝って、かなりの動揺状態。
と、その時、
「何、本気にしてんの?」
という薫の言葉。

藤「……は?」
薫「ちょっとした冗談なんだけど」
藤「(ジョーダン)―…」

って、
はぁっ……??!!

薫「前に言っただろ。同じ職場の女に手を出してこじれる事態は勘弁だって」

高輪マネージャーは冷たくそう言うと、パッと藤子の手首から手を離す。

薫「君が知る通り、女は熟れたてよりも完熟のほうが好みだし?」
藤「……」

一気に、熱くなっていた身体が、サーッと冷めていくのを感じた。

このオトコ、
本当に性悪。
―…っていうか、

藤「二重人格者ですよね……」
薫「何だ。いきなり」
藤「職場では他の社員さんには優しいのに、何で私の前ではそんなに感じが悪いんですか?詐欺ですよね。詐欺……」

私、特別に何か気に触ることをした覚えも無いのに、初対面からずっと感じ悪い―…!

薫「詐欺、と言われても困るな。特別意識はしていないが―…」
藤「じゃあ、何で数日前に知り合った女子を相手にそんなに横暴で失礼な態度がとれるんですかっ?」

しかも、ヒトの秘密事項をいいことに交換条件まで持ってきて!
怒りに震える藤子を、高輪マネージャーは、というと冷静な表情で眺めている。

薫「そうだな……何故か君の前では意地の悪い自分が無意識に出てしまうみたいだ」

と、悪びれもせずに言う薫。

藤「む、無意識……?」
薫「ああ」
藤「―…」

無意識って、それはそれで、更に質が悪いんじゃ……
何だか、今度は一気に襲う脱力感。
もういいや……
これ以上、ムキになったって仕方ない。完全にからかわれてるもの。
ここでムキになったら、ますます高輪マネージャーを愉しませてしまう。
納得いかないけど、夜の仕事のことも会社にバラされたら困るし、無駄な抵抗は止めて夕食の件は言われるがままに従おう。
こういうタイプは、きっと飽きるのも早いと思うし。
しばらくの我慢―…
そう自分に言い聞かせる。

薫「で、明日は?」
藤「はい?」
薫「昼夜共に明日の勤務はどうなってんの?夕飯の確認をしたいんだけど」
藤「……明日は早番ですけど、夜の仕事があるので無理です」
薫「ふーん。じゃあ、明後日」
藤「明後日は……休みです」
薫「じゃあ、ハンバーグでいいや。サラダもつけて」
藤「えっ?休日もですか?」
薫「何?何か予定あるの?」
藤「いえ……(全ク……)」
薫「じゃあ、騒ぐな」
藤「……」

いちいち腹が立つけど、こんな偉そうな態度も暫くは我慢我慢……

藤「わかりました。明後日、ハンバーグとサラダですね……」
薫「米も炊けよ」
藤「わかってます!」
薫「あっそ。じゃあ、俺は今から君の作ったカレーでも食べながら一杯やるから、そろそろいいか?」
藤「言われなくても帰ります!」
薫「あまり声を荒げるな。近所迷惑だ」
藤「わかってますっ!」

だけど、ついつい声が張ってしまう。
我慢と決めた側から、限界を超えそうだ。
その位、高輪マネージャーは嫌味な口調。何様って感じ。

でも、確かに、ご近所迷惑だし、何より上半身裸の男と何時までも玄関先立ち話なんてしたくない。
そう思って、

藤「では、失礼します……」

若干、怒りに震えた声で言い、
バタン、ドアノブを持つ手にどうしてもこもってしまう力を感じながら、高輪マネージャーの部屋のドアを閉めた藤子。

一日も早く、
あの高輪マネージャーの“からかい相手”としての対象から外れることを願って。



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