家族
未来へ


玲音は高校受験に総てを掛けていた

推薦で入学をするつもりだった

合格を決めたら母に伝える事があった

その為に死物狂いで勉強した

1日でも早く自立する

その第一歩が推薦入学だと決めていた

推薦入学を決め奨学金を受ける、そうすれば学費は免除となる

後はバイトと成績を維持し続ければ高校は卒業出来る

自分の出来る精一杯で取り組んだ受験だった

合格の発表の朝

玲音は母に「合格が決まったら母さんに話がある」と告げた

亜沙美は笑って

「解ったわ、ご馳走を沢山作るわ
二人でお祝いしましょうね」

と優しく送り出してくれた

そんな母との第一歩を勝ち取る為に玲音は頑張ったのだ

同じ高校を受験し、同じ推薦入学する亮平と共に合格発表を見に行った

まぁ100歩譲って落ちたとしてもバイトをすれば学費代位は稼げるし

そう気持ちは思うが‥‥不安は募る

受験番号を手に自分の番号を探す

上から順番を目で追う

この日ほどドキドキ寿命を縮めた事はなかった

貼り出された合格番号の中から、自分の番号を見つけた瞬間

目の前が光輝く明日が見えた

「亮平‥‥番号あった!」

「俺もあったぞ!玲音」

「二人して春から高校生か」

「だな、また一歩、大人へと近付いたな」

「あぁ‥‥今夜、言おうと想うんだ‥‥」

玲音は想っている計画を亮平に告げた

「やっとか、なら春からは新しい名前でスタートか切れるな」

「やっとだ‥‥長かったな‥‥」

「名前が変わったとしてもお前と俺は友達なのは変わらないさ!そうだろ?」

「決まってるやん!
それよりスポーツ推薦で入学したんだからお前はレギュラー目指せよ」

「お前は頭脳で入学したんだから勉強に励めよ」

「バイトも始めるからな」

「コンビニなら部活の帰りに買いに行ってやるよ」

「まぁバイトも離婚が決まってからだな
履歴書書けねぇからな」

「だな‥」



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