家族


悟史は「愛していたよ亜沙美」と言った

亜沙美も「愛していたわ、あなた」と返した

もう戻らない現実が在った






亜沙美と悟史は正式に離婚した

悟史は亜依の所へ行き離婚を告げた

亜依は黙ってそれを聞いて一言

「そうですか‥‥」と呟いた

悟史は「結婚しよう」と結婚を申し込んだ

『はい。』と言う言葉を期待していた

だが亜依は「お断りします」と断った

「何でだ?もうお前との結婚を阻む障害はなくなったじゃないか!」

「離婚したからと謂われても、はい、そうですか!とあなたと結婚など出来ません‥‥
解っていたのです‥‥あなたの家庭を壊したのは私達親子なのだと‥‥」

「違う‥‥俺が腑甲斐無い父親だったからだ‥‥」

「週末は必ずあなたが来るのが当たり前だった
その当たり前に私も甘えていたのです
あなたの家族がどんな想いで‥‥その週末を迎えているか‥‥
解っているつもりで、解っていなかったのかも知れません‥‥
そんな私達が‥‥人の家庭を壊した私達が‥‥
離婚したから結婚して暖かい家庭を築こうなんて‥‥出来る筈などありません」

亜依は泣いていた

亜沙美の事を想えば‥‥

涙は止まらなかった

不倫だと解っていた

解っていたが‥‥離れられずに‥‥

悟史の傍にいた




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