家族


『いいわよ、来て頂戴!』

亜沙美も総てを終わらせる為にそう言った

「解った、直ぐにそちらへ向かう」

『了解!』

亜沙美はそう言い電話を切った

それが何時もの彼女の返答だと懐かしそうに悟史は聞き入っていた

そして気を取り直して

「逢ってくれるって‥‥」

と伝えた

亜依は「ありがとうございます」と悟史に頭を下げた

亜依も‥‥

未来へ向けて進む為には必要な通過儀礼だと感じていた

この瞳に留めておこう‥‥

自分が壊した家庭を‥‥家族を‥‥

そう心に決めた

人の悲しみに上に成り立つ家庭は‥‥

不幸しか待っていない気がした

まるで目から鱗が取れた様に‥‥

視界がクリアになって何もかもがその瞳に飛び込んで来る感覚だった

悟史と亜依は真依を連れて、本城の家へと向かった




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