家族


「許されないと想うなら、許されるまで生きなきゃね‥
あなたは誰よりも我が子を幸せにしなきゃ!
それがあなたの贖罪よ
私達に謝る必要などないの
ハッキリと言って謝られるのは気分が悪いわ
私は不幸な女じゃない!
元夫が悔しがる程に良い女になってやる予定なのよ!
だからさ、私を憐れむのは止めて!
私もあなたを憐れんだりしないから!」

「はい。憐れんだり致しません
あなたを‥‥羨ましいと想います
私にあなたの強さがあれば‥‥‥」


もっと早く‥‥悟史と別れられていただろうに‥‥

こんな不毛な関係を断ち切れただろうに‥‥

亜沙美は亜依の頬に触れ

「自分の心に正直に生きないと息切れして破局を引き寄せる事になるのよ
だから正直に生きなさい!
私も正直に生きるわ!
それが一番自分らしい事だもの‥‥
自分を偽ってみても、それは本当の自分ではない‥‥
だから自分に嘘はつかないで‥‥自分を殺さないで‥‥」

欲しい言葉を与えられた

自分を偽って生きて来た自分に‥

与えられた言葉だった



亜依は亜沙美から離れると深々と頭を下げた

「あなたに逢えて本当に良かったです」

亜沙美は何も謂わず微笑んだ



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