空に向かって


中学二年生の、あの時以来の訪問。

初めて水樹さんに会った、あの日以来。



「さっさと来い」

気がつけば秀虎は倉庫の中に入っていってしまった。

「ちょ、」

置いていかれた私は、どうしたかと言うと…


クルッと踵を返し、元来た道を歩いていた。

秀虎には申し訳ないけど、本当に申し訳ないけど私には無理。

あの場所へ踏み込むことも、過去を思い出すことも、今はまだ出来ない。

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