空に向かって
頭に血が上り、息がし辛くなってきた状況でギブアップを上げた私に照彦は、
「これくらい耐えなさいよ〜」
無茶なことを笑顔で言う。
下された私は思いっきり息を吸う。
「沙織、お前なんで逃げた?」
下されて安心している場合ではなかったのかも。
一度冷静になったと思ったら部屋を見渡す。
部屋の中には中央に長い机が一つ。
机を囲むように奥に黒い一人がけソファ。
そしてその向かいにはもう一つ一人がけソファ。
間に対照的に向かい合うようにして長ソファが置かれている。