空に向かって


頭に血が上り、息がし辛くなってきた状況でギブアップを上げた私に照彦は、

「これくらい耐えなさいよ〜」

無茶なことを笑顔で言う。


下された私は思いっきり息を吸う。


「沙織、お前なんで逃げた?」

下されて安心している場合ではなかったのかも。


一度冷静になったと思ったら部屋を見渡す。

部屋の中には中央に長い机が一つ。

机を囲むように奥に黒い一人がけソファ。

そしてその向かいにはもう一つ一人がけソファ。

間に対照的に向かい合うようにして長ソファが置かれている。

< 220 / 321 >

この作品をシェア

pagetop