空に向かって


きっとランさんも、照彦も、秀虎も、…青木も知らない。

私と水樹さんが“セフレ”の関係だって事。


…だけどもう随分と抱かれていないのを思い出すと、私達の関係はそれまでだったて事。

もう水樹さんは私を抱いてはくれないだろう。

…三ヶ月前が嘘のよう。

青木が転校してくる前までは、それなりに欲の処理だってしていた。


もう私の事なんて必要ないんだね。


「何で沙織ちゃんがいるの?」

不思議そうに私を見る水樹さんの後ろに、青木の姿を捉えると、心の奥がドロドロと黒く、漆黒に染まっていくような感覚に陥る。

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