空に向かって
「こちらの数値を見てください。」
そう言って検査結果であろう紙を見せられると、呪文のような英語やらカタカナの文字が羅列している。
その横に数値?とかいうよく分からない単位の数字が出ていた。
「これが穂積さんの結果です。こちらが通常の数値になります」
どこからか取り出した通常数値と見比べさせられる。
それからは中年の先生がよくわからない単語をペラペラと喋りながら私の様子を伺っていた。
「まず最初にお伝えすることがあるんですけど、大丈夫ですか?」
半ば放心状態の私に、先生はそう尋ねる。
「…はい」
小さな声で返事をする。