空に向かって


「お父さん?私、沙織」

『珍しいなお前から電話だなんて』

小さい時から豪快に笑う父の笑い声に安心して涙が出そうになる。


「ごめん、忙しかった?」

電話の後ろがガヤガヤかしている気がして、きっと仕事中なんだろうなって。

『大丈夫だぞ、どうかしたか?』

寂しくなったか?なんて声をかける父に、


「うん、まぁ。」

らしくない事を言ってみたりする。

< 314 / 321 >

この作品をシェア

pagetop