ボクらの愛しい生徒会長様には秘密があるらしい。
《 陽乃side 》
聖堂の裏口から中へ入り、全体を見渡せる2階へと行けば生徒達が出口から出ていくところだった。
手すりに寄り掛かりながら彼らの会話に耳をすませてみると、聞こえてくる話題の殆どが新入生歓迎プログラムについて。
(良かった良かった。この様子だと今回も楽しみにしてくれているみたいだな。)
新入生も在校生も、全ての生徒達が楽しめる企画を考えなくてはいけないというのは簡単そうでかなり難しい。
しかも、生徒会は様々な行事の企画を毎回異なる内容で考えなくてはいけない為、ネタが尽きないように必死だ。
『だがそれでこそやるがいがあるというものだろう?…なぁ?美鶴よ』
「相変わらず気配に敏感な方ですね」
『癖のようなものだ。プログラムの発表は上手くいったようだね』
「僕を誰だと思ってるんです?貴女を支える副会長様ですよ」
『ククッ、それは確かに言えてるな』
後ろを振り向けば柱に凭れ掛かり不適な笑みを浮かべている美鶴がいた。
カツコツと靴音を鳴らし少しずつ私へと近付き、目の前まで来るとそっと腕を上げ…
ギュ~~ッッ
『痛たたたたたたたっ』
「今回の代打の件はこれで許して差し上げます。あとは…そうですね、有名店のフルーツタルトが食べたいです」
『りょ、了解した』
おもいっきり耳をつねられた。
避けようと思えば避けられるのだが…避けたあとが怖い。
この前は普段の4倍の書類仕事を回された。あの時の書類量は今でも軽いトラウマレベルである。
当の本人、美鶴様は至極楽しそうだがな。
『…ドS』
「えぇ、貴女の痛がる姿が僕にとっての最高のご褒美ですから」
銀縁眼鏡を光らせて微笑む姿は彼のファン達が見たら目をハートにしていることだろう。
コイツは学園ではピクリとも表情筋が動かない冷徹王子として有名なのだ。
あのいつでも冷静な姿が素敵!と言っていたいつかの女子生徒の思考回路が全く理解出来ん。
究極の鬼畜ドS副会長、それが篝 美鶴(カガリ ミツル)である。
「千里から貴女が聖堂に向かってると連絡が届いてからここに来るまでにかなり時間が経過していましたが一体どこに寄り道を?」
『寄り道ではない。迷子だった転入生君を校舎まで案内していたんだよ』
「転入生を?」
『あぁ、面白くて実に興味深いやつだ』
「ほぅ…」
美鶴はそう一言発すると、少しだけ目を細め殺気を滲ませた。
聖堂の裏口から中へ入り、全体を見渡せる2階へと行けば生徒達が出口から出ていくところだった。
手すりに寄り掛かりながら彼らの会話に耳をすませてみると、聞こえてくる話題の殆どが新入生歓迎プログラムについて。
(良かった良かった。この様子だと今回も楽しみにしてくれているみたいだな。)
新入生も在校生も、全ての生徒達が楽しめる企画を考えなくてはいけないというのは簡単そうでかなり難しい。
しかも、生徒会は様々な行事の企画を毎回異なる内容で考えなくてはいけない為、ネタが尽きないように必死だ。
『だがそれでこそやるがいがあるというものだろう?…なぁ?美鶴よ』
「相変わらず気配に敏感な方ですね」
『癖のようなものだ。プログラムの発表は上手くいったようだね』
「僕を誰だと思ってるんです?貴女を支える副会長様ですよ」
『ククッ、それは確かに言えてるな』
後ろを振り向けば柱に凭れ掛かり不適な笑みを浮かべている美鶴がいた。
カツコツと靴音を鳴らし少しずつ私へと近付き、目の前まで来るとそっと腕を上げ…
ギュ~~ッッ
『痛たたたたたたたっ』
「今回の代打の件はこれで許して差し上げます。あとは…そうですね、有名店のフルーツタルトが食べたいです」
『りょ、了解した』
おもいっきり耳をつねられた。
避けようと思えば避けられるのだが…避けたあとが怖い。
この前は普段の4倍の書類仕事を回された。あの時の書類量は今でも軽いトラウマレベルである。
当の本人、美鶴様は至極楽しそうだがな。
『…ドS』
「えぇ、貴女の痛がる姿が僕にとっての最高のご褒美ですから」
銀縁眼鏡を光らせて微笑む姿は彼のファン達が見たら目をハートにしていることだろう。
コイツは学園ではピクリとも表情筋が動かない冷徹王子として有名なのだ。
あのいつでも冷静な姿が素敵!と言っていたいつかの女子生徒の思考回路が全く理解出来ん。
究極の鬼畜ドS副会長、それが篝 美鶴(カガリ ミツル)である。
「千里から貴女が聖堂に向かってると連絡が届いてからここに来るまでにかなり時間が経過していましたが一体どこに寄り道を?」
『寄り道ではない。迷子だった転入生君を校舎まで案内していたんだよ』
「転入生を?」
『あぁ、面白くて実に興味深いやつだ』
「ほぅ…」
美鶴はそう一言発すると、少しだけ目を細め殺気を滲ませた。