ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~
「待って。この料理、誰が作ったの?」

「私ですが……」

「うっそ、可愛くて料理上手だなんて最高じゃん。名前、なんていうの? 俺っちの嫁にならない?」

「え……?」


つまむように持ったフォークをプラプラと遊ばせながら、彼はサラリとプロポーズした。

それに対して美奈は、キョトンとしている。

自分の人生において、男性に求婚されることなどあり得ないと思っている彼女なので、なにを言われたのかをうまく理解できずにいるのだ。


(ヨメってなんだろう。米と言いたかったのかな。それとも、飲め? でもそれだと文章的におかしいから、ヨメは嫁? え……えええっ!?)


やっと求婚されたことを理解して、半歩後ずさった美奈は、耳まで顔を火照らせて慌てている。


「真っ赤になっちゃった。かーわい」


アハハと笑う彼を、隣に座る美女が呆れ顔で見ていた。


「マッキオ、ここは酒場じゃないのよ。純情そうな子をからかうのはおやめなさい」


マッキオと呼ばれた青年に対し、姉のようにたしなめてくれた彼女は、求婚を真に受けて動揺している美奈にも片目を瞑って言う。


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