ようこそ異世界レストランへ～食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます～

「いつもこうなの。このチャラ男の口説き文句は無視してくれて構わないから」


冗談だったのかと美奈はホッと胸を撫で下ろし、マッキオはムッとした顔で「エルネ」と隣の美女に呼びかけた。


「チャラ男はひどい。俺っちは、この世の全ての可愛い子ちゃんに真剣に恋してるんだよ」


「はいはい」と受け流したエルネは、ひとりだけ会話に加わらず、食べることに夢中な黒髪の青年にも声をかける。


「ライアスもなにか言ってあげーー」

「おい、レストランの娘。お代わりを頼めるか？」

「は、はい」


千切りキャベツ一本すら残っていない皿を差し出され、美奈は驚きながらそれを受け取る。

「はっや。もう完食したのかよ」とマッキオが笑いながら指摘を入れ、エルネはため息をついた。

すると美奈の後ろから、「これはこれは」と、うやうやしい声がした。

現れたのは、黒いベストに深緑色の蝶ネクタイという店員の格好に着替えたジモンだ。

美奈の隣に並んだジモンは、手揉みしながらライアスたちに声をかける。