ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~
「娘よ、よく聞くがよい。我が名はジャンポール。誉れ高き竜騎士団に八十年所属する大魔導師じゃ。ちなみにこのガキどもよりずっと位が高いぞ。わしが上官じゃと言うのに、こやつらは生意気で、まったく困ったもんじゃ」


上官のジャンポールが説教を始めても、ライアスたち三人は煩わしそうな顔をして聞き流し、確かに生意気な態度である。

マッキオとエルネは続きを黙々と食べ進め、ライアスは「おい、俺のお代わりはまだか?」と催促してきた。


「お代わりでございますか! 失礼しました。すぐにお持ちいたします」


ジモンが空の皿をのせたワゴンを押して急いで厨房に戻っていき、美奈はジャンポールにネズミと間違えたことを誠心誠意、謝罪した。


「申し訳ありませんでした。私が生きていた前の世界では、喋るネズミも魔導師もいなかったんです。ジャンポールさん、どうかお許しください」


深々と頭を下げてから顔を戻した美奈に、ジャンポールが瞳を険しくする。


「お主、先程からおかしなことを言うておるの。前の世界とな?」


ピョンとライアスの肩から飛び降りて、テーブルの上を美奈の前まで駆けてきた魔導師は、両手を出すよう要求する。

美奈が言われた通りに揃えた両手を差し出し、顔の前までジャンポールを持ち上げると、小さな杖を額にチョンと当てられた。

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