ようこそ異世界レストランへ～食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます～

なにかを読み取っているように「フムフム」と頷いていたハムスターは、杖を離して美奈に言う。


「転生者じゃったか。憑依型とは珍しいの」

「わかるんですか！」


言い当てられて、美奈は驚いていた。

ミーナの両親や治癒院の魔導師は、細かに説明しても信じてくれなかったというのに、やっと理解者が現れた。

思わずジャンポールに頬ずりして喜べば、「わしはペットではないぞ。やめんか」と叱られてしまう。


「ご、ごめんなさい。嬉しくて、つい……。あの聞いてくれますか？　私、元々はこんなに可愛らしい女性ではなく、ブサイクと言われ続けていたんですけどーー」


ジャンポールをテーブル上に戻した美奈は、この世界に飛ばされた事情を説明し、ライアスたちも興味を持って話を聞いてくれた。


「というわけで、神様の手違いでミーナさんの体に入ってしまったんです。どうしたらいいでしょう？」


レストランで働けると知って、つい張り切って活躍してしまったが、美奈の中には今、治癒院で目覚めだ時の困惑が戻ってきていた。


（この体はミーナさんのものだもの。やっぱり返すべきよね……）


そう思い、大魔導師だというジャンポールに、肉体と魂を切り離す方法を尋ねたが、「ない」とあっさり言われてしまった。