この空の下
「待てよ」

鋭い声で、ツカツカと歩み寄り、


「俺と羽蘭は7年付き合ったんだ。まだお前がガキだった頃からな。羽蘭のはじめては俺だ。どんなに頑張っても、それは消せない」

なんて、バカなことを口にした。


そして、唖然としている私を見て

「なあ、しっかりしろ。お前に年下なんて似合わない。すねてないで、俺の所に戻って来い」


「空、あんた・・・」

思わず、殴りそうになった。


しかし、

「やめろ」

握りしめた拳を隆哉さんに止められた。



「残念だな。羽蘭はもうお前を愛してはいない。諦めて婚約者を大事にしろ。いい加減見苦しいぞ」

冷たく言い捨てる。


それを聞いて、青ざめていく空。


次の瞬間、空が隆哉さんにつかみかかった。
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