この空の下

今の男

その時、

ガタッ。

わざとらしくドアを鳴らす音。


そこに立っていたのは、隆哉さんだった。


「何をしてるんだ?」

ドアを持ったまま、近づこうとはしない隆哉さん。



「ああ、良かったら君も飲む?」

空がワインを差し出す。



「どういうことか説明してもらえるか?」

真っ直ぐに私を見る隆哉さん。

相当怒っている感じ。


「院長室へ行きましょう。ここじゃあ」

「ここで話せない事情でもあるのか?」

「いや、そんなことは」


「一体何が本当なんだ。言うこともやることも目茶苦茶じゃないか」

叱られてしまった。
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