この空の下
「隆哉さん、落ち着いて。ちゃんと説明するから」


私はドアまで行き近くのイスを引いた。

「とにかく座って」


ジーッと私を見てから腰を下ろして、

「で、どういうこと?」


「今日は私達の親しくしていた友人の命日なの」

「えっ」

隆哉さんの表情が変わった。


「高校から一緒で、大学時代も3人で仲良くしていた。その友人が亡くなった日が今日。だから、空を上げました」

「ふーん」


納得してくれたんだろうか、かなりトーンダウンした感じ。



「じゃあ、俺も混ぜてもらうよ」

何を思ったのか、空の座るテーブルに近づく隆哉さん。

「え?」

驚いてあげた私の声に、

「彼女が他の男と飲んでたら気になるだろう?」

当たり前じゃないかと流されてしまった。


彼女って・・・
< 166 / 405 >

この作品をシェア

pagetop