この空の下
やはり、空は空だった。

人間簡単には変わらない。


「なあ、本当に俺にはお前が必用なんだ」

「麗子さんは?」

「麗子は麗子だよ。お前は特別なんだ」

「屁理屈よ」


一瞬空が黙った。


しばらくの沈黙。



そして、少し真面目な顔になって

「確かに俺は卑怯なことを言っているかもしれない。でも、お前だって結婚願望がないんだったよな?俺は何度か結婚を匂わせたことがあるはずだ。その度に結婚はしないって言い続けたよな?」

「まあね」

それは嘘ではない。
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