【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 眠っていた私は身動きができなくて意識が急浮上する。

 もう一度身じろぐも動けず、次の瞬間ギョッとなる。目をパッと開けると、柊吾さんの綺麗な顔が飛び込んできた。

 腰の重みは柊吾さんの腕。彼の腕が腰に回されていて動けなかった。

「あ、ひぃっ」

 男性とここまで密着するのが初めてで、身体が固まる。

 すると――。

「クッ」と、押し殺した笑い声が聞こえてきた。

「しゅ、柊吾さんっ。う、腕を外してください」

 抱きしめられていた腕はすぐに外され、私はみっともなく無様な格好で転がるようにしてベッドから降りた。

 こらえるような笑い声のあと、からかう声が降ってくる。

「おはよう。心春って積極的だったんだな。心春から抱きついてきて驚いたよ」
「そ、そんなわけないじゃないですかっ!」

 私は頬が熱くなるのを感じながら寝室を飛び出た。

 びっくりした……。今、何時?

 リビングの時計へ視線を向けるとちょうど七時。起きる時間だった。

 心臓のドキドキが止まらないまま、昨日使ったバスルームへ向かう。

 積極的なわけじゃなくて……でも、私が近づいたんだよね……。

 柊吾さんの寝ていた場所は昨夜と変わらなくて、私のほうはスペースが空いていた。これは私から柊吾さんに近づいたという証拠だろう。

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