【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「ハウスキーパーも週三日依頼しております。掃除から料理までできるスペシャリストです」

 ハウスキーパーと聞いてびっくりする。

「柊吾さん、必要……?」
「心春に負担をかけたくないんだ。週三日ならちょうどいいと思う」
「八神物産の社長夫人なのですから、ハウスキーパーを雇うのは普通のことです」

 柊吾さんの言葉に続いて、辻野さんも畳みかけるように話す

「様子を見て、心春が家事を負担に思わなかったら変更すればいい。君に任せるから」

 柊吾さんは私の手を繋ぎ、奥にあるマスターベッドルームや書斎、私の部屋などを見て回る。広いドレッシングルームまであった。

 ひと通り見て回ると、外の陽も落ちてきた。

「辻野さん、ありがとう。住み心地がよさそうだ」
「喜んでいただけてよかったです。明日は八時に車が迎えに参ります。それでは失礼いたします」

 玄関へ向かう辻野さんを見送る柊吾さんのあとを追いかけ、私も頭を下げた。

 ドアが閉まり、ふたりだけになった。柊吾さんが私を抱きしめる。

「心春。お疲れ」
「柊吾さんもね」

 ピタッとくっついている身体を離し、手を繋ぎながらリビングへ入る。

「もう五時か」

 腕時計の時間を確認した柊吾さんは私をソファに座らせる。

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