【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「勉強もあるのに、料理を作ってくれてありがとう。約束を破ってしまったお詫びに明日は心春の言うことをすべて聞こう」

 真面目な顔で見つめる柊吾さんに、私はクスッと笑う。

「柊吾さん、いつも私の言うことを聞いてくれているよ?」
「じゃあ、やりたいことだ。考えておいて」
「はい。寝ながら考えるね」

 そう言うと、柊吾さんは口元を緩ませ不敵な笑みを浮かべる。

「それはどうかな?」

「えっ?」と首を傾げると、さらに柊吾さんの笑みが深まった。

「考える暇がないくらい心春を抱くつもりだから」
「も、もうっ。遅いから寝ようと思っていたのに」
「じゃあ先に寝てていいよ。心春の身体を自由にさせてもらうから」
「柊吾さんの変態っ!」

 からかわれているのはわかっている。

 でもこんな会話は愛されている実感があって嬉しい。


 翌日の土曜日、私のやりたいことを聞いてくれるという柊吾さんに、今日一日フランス語で会話をするように頼んだ。

 柊吾さんは快諾してくれて、朝食を食べているときから私たちの会話はフランス語になった。

「俺のラパン、今日はなにをする?」

 フランス語になると、声まで甘く聞こえてきて胸がドキドキしてくる。

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