【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 柊吾さんは痛まないようにそっと洗ってくれた。

「柊吾さん、来てくれてありがとう。すごく嬉しかった。でも、杞憂で終わっていたら、無駄になっていたね」
「俺はそうは思わない。心春が巻き込まれず元気でいたとしても、無駄だったとはこれっぽっちも思わないよ。もし無事だったら、それはそれで結果オーライだ」

 私は本当に柊吾さんに愛されているのだ。彼の顔を見るたびにドキドキ胸が高鳴る。

「……柊吾さん、すごく会いたかったの」
「俺もだ」

 私の気持ちを口に出すと、彼は優しい眼差しで口元を緩ませる。

 ずっと心に引っかかっていたことを言わなくては気が済まなくなった。

「私、告白しないといけないことがあって……」
「告白? 悪いこと?」

 突然の私の言葉に、柊吾さんは首を少し傾げて困惑している。

「私、柊吾さんに愛している人がいると思っていたの」
「俺に? 愛している人が?」

 身に覚えがないといった様子で、彼は眉根を寄せた。

「クリスマスの日、電話を聞いちゃったの。『愛し合っているじゃないか』って。でもそれは辻野さんから夫婦の相談を受けたのだと聞いたから、私の思い込みは解けているの」
「相手が辻野さんだと、どうして考えたんだ?」

 柊吾さんは身体の前で指を組んで首を微かに傾ける。

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