【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「お義父さまが倒れて、日本から戻ってきた日、空港で仲がよさそうな柊吾さんと辻野さんを見てしまったの」
「そうだったのか。それで俺を呼び止められなかったのか?」

 私は小さく微笑んで頷く。

「それと……正巳さんからも……」

 正巳さんのことはちゃんと話しておかなければならないと思っていた。柊吾さんに対抗心を持っている正巳さんは、いつか彼の足を引っ張るかもしれないから。

「正巳?」

 突然正巳さんの名前を出されて、柊吾さんは眉根を寄せて私の言葉を待つ。

「お義父さまの退院祝いでお家に行ったとき、柊吾さんが秘書と付き合っていると私に教えたの」
「それで、心春はさらに浮気疑惑を深めたわけか」

 柊吾さんは感慨深げに頷く。

「そうなんだけど、八神家の一員なのにそんなこと教えるなんてひどいと思って。だから、これは私と柊吾さんの問題で、下手な噂になりかねないので、もう他言しないでくださいって言ったの」
「さすが心春だ。正巳の反応は?」
「ムッとして、せっかく教えてあげたのにって部屋を出ていって、そのあとはなんにも」
「そうか……正巳の件は辻野さんからも諸々報告を受けている。頭を悩ませてしまいすまなかった」

 柊吾さんは手を伸ばして、私の手を包み込む。

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