【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「心春、そのことで話があったんだ」
「えっ?」

 私はなんの話なのか、キョトンとなる。

「母が、俺に会いに来たんだ。君がここで暴動に巻き込まれた日だ。見舞いのときに心春に話したことを後悔していたようでね。孫は欲しいが心春がまだ望んでいなければかまわないと言っていたよ。勝手なことを言って申し訳なかったと」

 お義母さまがそんなことを……。

「母のせいでわざと大学に落ちたんじゃないか?」
「そんなことないよ。私の努力が足りなかっただけで……」

 柊吾さんに話してくれただけで十分だった。お義母さまが優しい人だとわかったから。だから受験のことは言わないでおこうと思った。だけど――。

「心春、本当のことを話してくれ。君のことだからわざとだろう?」

 私は困ってしまい、視線を柊吾さんから外して泳がせてしまう。

 困惑する私の頬が柊吾さんの両手で包み込まれ、じっと見つめられた。

「心春?」
「……私は努力しないと勉強ができる子じゃないから。わざとじゃないよ」

 見つめる瞳と目を合わせて、笑みを浮かべた。

 まだ柊吾さんは疑いの目を向けていたが、ふぅと息をついて口を開く。


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