【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 翌日。

 ぶつけた側頭部は触れると痛いけれど、頭痛はないし体調もよくなった。

 朝食後、私はバルコニーのイスに座って梨沙へ電話をかけた。パリの街並みがよく見えて気持ちがいい。

「梨沙、ハルです」

《ハル! 大丈夫なの!? 柊吾さんから退院できると聞いたけど心配で》

「はい。打撲程度で、医師も他は問題ないと」

《本当によかったわ》

 スマホから聞こえる梨沙の声は心から安心しているようだった。

「それで、柊吾さんが今晩か明晩、ここのホテルで皆さんをディナーを招待したいと」

《まあ! うちに来てくれればいいのに。でも、柊吾さんの都合もあるでしょう。顔を見たいから行かせてもらうわね。明日でいいかしら?》

「ぜひ! 柊吾さんも喜びます。私も帰国前に会いたいと思っていたんです」

 明日のディナーの約束をして、梨沙との電話を切ると、出かける準備をしていた柊吾さんに近づく。

「柊吾さん、オーリィ家は明日の夜に来られるって」
「よかった。レストランに予約をしておくよ。じゃあ、行ってくる」

 柊吾さんはこれから八神物産のパリ支社に赴き、午後は私に付き合ってオルセー美術館へ行ってくれることになっている。


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