【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
「疲れただろう」

 私は首を左右に振る。

「それほどは。柊吾さんのほうが気を使いっぱなしでしたよね。ありがとうございました」
「区役所へはすぐ着く。受理されたらまっすぐ空港へ向かうから」
「はい」

 私はもうすぐ柊吾さんの妻になる。

 そう考えると、先ほどのパーティーよりも心臓がドキドキ高鳴ってきた。


 区役所の夜間受付で婚姻届を提出し、あっけなく受理された。

 婚姻届はすでに柊吾さんが用意していて、自分の欄を埋めるだけでよかった。

 車に戻りホッと息をつく。

 すると隣に座る柊吾さんがプラチナのマリッジリングを取り出した。

「これはずっと身につけていて。男除けにもなる」

 男除けに私はクスッと笑ってしまう。

「笑い事じゃないぞ。心春の気の強さはトラブルを招きかねない」
「気が強いわけではないですよ。ああいうときはビシッとした態度じゃないと」
「はめて俺を安心させて」

 本当に愛されているかのような発言に困惑してしまう。

 しかしすぐに思い直す。私になにかあったら、偽の夫とはいえ、両親に面目が立たないからだと。

 私は左手を柊吾さんに差し出した。

 エンゲージリングの上にプラチナのマリッジリングがはめられた。

 もうひとつのペアリングを、柊吾さんが自分の指にはめようとしたところを止める。


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