対立相手が婚約者。それって何かの冗談ですか?
「もう、わかりましたから、席にお戻りください。いつでも構いませんので」

押されに押された恵巳は、白旗を上げた。

「いつでもいいんですか?それは、僕の好きな時に恵巳さんに会いに行ってもいいということでしょうか?」

「そういうことなんじゃないですか?」

そう返すと、はにかんだ笑顔で喜ぶ拡樹。まるで少年のようだ。こうして、会話を弾ませながら仲睦まじく話す2人。

だがそのすぐ近くに、2人が楽しく過ごしているのを快く思っていない人物がいた。
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