拾ったワンコが王子を連れて来た
休憩時間になり、更衣室のロッカーの鞄から携帯を取り出した途端携帯電話が振動した。
わっ…びっくりした。
私、どんだけ怯えてるのよ…
今朝の事があり、少し敏感になり過ぎてるのかもしれない。
そして、沢山の着信の数にやはり恐怖を感じる。
嘘でしょ…
なにこの数…
50件て…
笑顔で手を伸ばず、彼の姿が脳裏に浮かぶ。
ヤバイ。
助けて…
「はぁはぁはぁ…」
怖い…
苦しい…
「はぁはぁはぁ…」
誰か助けて…
苦しい…
「はぁはぁはぁ…」
ダメだ…
意識が…
(バッタン)
「美…真美!真美!!しっかりして!」
さっちゃん…?
「はぁはぁはぁ…」
助けて…
「はぁはぁはぁ…」
苦しい…
「真美! 大丈夫、大丈夫だから、落ち着いて!
ゆっくり、ゆっくり息して!
大きくゆっくりよ?」
さっちゃんは私の手を握り、“ 大丈夫 ” だからと安心させてくれる。
「そうよ。ゆっくりゆっくり。上手いわ」
暫くすると呼吸も落ち着いてきた。
「ありがとう…」
心配したさっちゃんは、何があったかと聞くが、私は何も無いという。
「なにもなくて、過呼吸にならないでしょ?
ちょうど、私が入って来たから良かったけど、誰も来なかったらどうするの!」
「ごめん…」
あまりの着信数に、以前の恐怖を思い出してしまったのだ。
「もしかして…フラッシュバック?」
さっちゃんには、初めてあった時に話した事があった。
お互い中途採用だった事から、互いの事を話していたのだ。
「兎に角、医務室へ行こ?」
「もう大丈夫だから…」
「大丈夫じゃないでしょ!」
心配するさっちゃんに連れられ医務室へ行くと、先生は留守だった。
「先生も、お昼休憩みたいだね? 電話してみる」と言うさっちゃんに、大丈夫だと言うが、心配だからとさっちゃんは電話を掛けてくれた。