拾ったワンコが王子を連れて来た

(ガチャッ バッタン!)

「真美! 大丈夫か!?」

え?
嘘…でしょ…

慌てて入って来たのは、医務室の先生では無く、生田さんだった。

生田さんとさっちゃん二人は、互いの顔を見て驚いていた。

慌てて入って来たのが先生では無く、生田さんが来た事に、さっちゃんが驚くのは勿論だが、その生田さんが、“ 真美 ” と呼び捨てにしているのだ。

「生田さん…真美…」

さっちゃんは言葉を失い、口を開けたまま私達を交互に指をさし見ていた。

だから…
家でも、下の名前で呼ばないでって言ってたのに…
こういう事になりかねないから…
生田さんの馬鹿!

「さっちゃん…色々事情があって…ごめん。
今度、ゆっくり話すから…」

「わかった。
でも、一つだけ聞かせて?
真美の過呼吸に生田さんは関係してないよね?」

「うん。 関係ない」

なにがあったと言う生田さんに、何も無いと言うと、二人から “ 真美! ” と叱られてしまった。

これはもう…
話さないという選択肢は、許されない様だ。

律子さんと、律子の弟さんとの出会いから、メールの事まで全てを二人話した。

「なんで、俺に言わなかった!?
それはもう、ストーカーだろ?」と声を荒げる生田さん。

いや、貴方は言えないと思いますけど…?

「今朝、様子がおかしかったのは、それが原因だったんだね?
何で言わないのよ!」とさっちゃん迄も声を荒げて怒ってくれる。

「ごめん…」

「ヨシ! 私がハッキリ断って来てあげる!」
「ヨシ! 俺がハッキリ断って来る!」
と、二人は拳を握る。

これはこれで、マズイ気がする。

「ねぇ、二人とも落ち着いて?
別に、何かされた訳じゃないし?」

「「されてからでは遅い!」」

二人の言葉に私は身を縮める。




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