拾ったワンコが王子を連れて来た

「本当に大丈夫か?」

「大丈夫だって! 早く行って!」

「じゃ、後でな?」

「はいはい」

私の様子がいつもと違うと思った様で、生田さんは一緒に車で出勤しようと言ってくれた。
だが、一緒に出勤なんてしたら、それこそ心配事が増えてします。

後半年は、私達の関係を周りに知られる訳にはいかない。
半年後には、生田さんはゼネラルマネージャーの秘書として、本社付けになる。
それまでは、何があっても同僚達に知られてはいけないのだ。
ゼネラルマネージャーからも、呉々も気をつける様に言われてる。

その為に、先日本社へ行った際の私達の事は、上手くゼネラルマネージャーが手を打ってくれたと聞いてる。私達の為にどんな手を打ってくれたかは知らないが、兎に角、今はゼネラルマネージャーの厚意に応える為にも、気を付けなくてはならない。

「おはよう!」

「っ!? さっちゃんか…びっくりした…おはよう」

「どうした? そんなにびっくりして?」

「あーううん。 なんでもない」

生田さんが家を出てから、律子さんの弟さんからショートメールが送られて来てるのだ。それも、何度も…
内容は私に害を及ぼす内容では無い。

《ワンちゃん、食事とれてますか?》
《最近、ちょっと暑くなって来ますから、気を付けてあげて下さい》
《ワンちゃんも熱中症に掛かる事がありますから、注意してあげて下さいね?》

全てワンコロを心配しての事だけど…
けど、やっぱり気持ち悪い。

さっちゃんに、なんでも無いっと言った矢先、また、メールの着信を知らせる音がなり、私は体をビクつかせた。

「なにびっくりしてんの? メールでしょ?
もしかして、彼氏から?」

「違う!」

「だよね? あんたの彼氏は拾ったワンちゃんだもんね?」と、さっちゃんは笑って言うと、誰からと携帯を覗き込んでくる。

メールを開いても、またも大した内容では無い。

《何か有れば、すぐに連絡下さいね?》

「すぐ連絡下さいねって…ねぇ、それ誰?」

アドレスに登録してない為、差出人の名前は表示されてないのだ。

「間違いじゃないかな?」




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