エリート同期は一途な独占欲を抑えきれない


「え、彼女のSNS見ちゃダメなの?」
「見てもいいけど、流す程度に見ててほしい。べったり張り付いてる感が出てたらひく」

「ええ……加減が難しい」

眉を寄せる谷川くんを見ながらグラスを傾けていると、「桜井もそういうの嫌いそう」と話しかけられる。

見れば、向かいの席に座った芝浦が、片手で頬杖をつきながらこちらを見ていた。
じっと観察するようなまなざしを受けながら「んー」と首を傾げる。

束縛をされたいかどうかと聞かれれば……。

「嫌かも」
「どのラインまでは許容範囲? たとえば、今出た話で、友達と出かけたことをしつこく聞かれるのは?」

芝浦が、姿勢も表情も声のトーンも変えないまま聞いてくる。

至ってなんでもない顔だけど、ただ見つめられているってだけで顔を赤くする女の子も少なくないだろう。
芝浦の顔立ちはそれくらい整っている。

私だって初めて見たときには時間を忘れるくらいには目を引かれたものだ。今はもう慣れたけれど。

「しつこく聞かれたら、か……。程度によるよ。本当にしつこかったら、遠回りに聞いてないで何が聞きたいのかハッキリ言ってって言うかな」

気になるのはわかるんだけど……というニュアンスで言った私に、隣に座っている亜美が「あー、っぽいね」とうなずいた。

「じゃあ、SNSを見られるのは?」

答えたそばから芝浦に聞かれる。


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