エリート同期は一途な独占欲を抑えきれない
「それは別に。普通に公開してることだし、彼氏だけダメっていうのはないかな。……でも、そもそも私、SNSは登録しただけでほとんどやってないから実感がないだけかも」
継続して使っているのはメッセージアプリくらいで、他は始めた当初に少し投稿したくらいで放置状態だ。ログインに必要なパスワードも定かではないほどに開いていない。
だからというわけでもないけれど、誰に見られても気にならない、と答えた私を見て、またしても女子ふたりがうなずく。
「たしかに、茉奈のSNSが更新されたのって見たことないかも。お店行っても、料理の写真も撮らないもんね」
「うん。旅行とか行ったら思い出に撮るかもしれないけど」
「でも、今はみんな空でも犬でもランチでもなんでも撮るから茉奈みたいなのは珍しいよー」と言う紗理奈の向かいで、谷川くんが腕を組んで話し出す。
「桜井みたいなタイプの方が男ウケはいいよ。俺、前の彼女、誕生日プレゼント渡したら、お礼もそこそこにすぐ写真撮り始めて、少し冷めたもん。目の前の俺よりも、プレゼントもらったって写真アップするほうが大事なんかなーって」
「えー、それはさすがにないかもー……でも、自分もやっちゃってるかも」
亜美が不安そうな声を出す。
その隣で、「私もやってない自信ない」と苦笑いでもらしていた紗理奈が、気を取り直したように芝浦に話を振る。
「芝浦はどうなの? 束縛するタイプ?」
枝豆を手に取った芝浦は、「俺?」と聞き返してから「そうだなぁ」と答える。
「相手によるけど、独占欲は結構強い方かも。他の男とふたりで出かけて欲しくないし、飲み会帰りとかも送ってもらうとかやめてほしい」
「えー、意外。でも、ひとりで帰らせるほうが心配じゃない?」
聞いたのは亜美だ。
「連絡くれれば迎えに行くから」
それなのに、私を見つめたまま答える芝浦に、心臓がギクリと音を立てた。
理由は、先月の部署での飲み会の時、芝浦に同じようなことを言われたからだ。