独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
詩穂は嬉々としてフォークとナイフを取り上げた。見るからにふんわりした柔らかな生地は、ナイフを入れるとすっと切れた。たっぷりのマロンクリームと生クリームをつけて口に入れる。とたんに口中に濃厚な栗の香りが広がった。パンケーキなど、舌の上でとろけていくかのようだ。
「んんんん~!」
あまりのおいしさに詩穂は目を閉じてうっとりとした。
「そんなにうまいの?」
蓮斗の声がして目を開ける。
「うん、すっごくおいしい!」
「じゃあ、味見させてよ」
蓮斗に言われて、詩穂はカトラリーケースを蓮斗の方に押した。そこには使っていないナイフとフォークが入っているのだが、蓮斗は首を左右に振った。
「いらないの?」
「違う」
蓮斗は視線で隣のテーブルのカップルを示した。見ると、彼氏が彼女にパンケーキを「あーん」とやっているところだった。
(あ、あれをやれってこと!?)
戸惑う詩穂に蓮斗が頷いてみせる。
「『俺も楽しんでいい』んだろ? あれ、やってよ」
まさしく悪巧みをしている顔でニヤッと笑った。楽しんでもいいのか、という彼の問いに、当たり前だと答えたのは詩穂である。抵抗するのは諦めて、スフレパンケーキにフォークを刺し、クリームをのせて蓮斗の方に向けた。
「んんんん~!」
あまりのおいしさに詩穂は目を閉じてうっとりとした。
「そんなにうまいの?」
蓮斗の声がして目を開ける。
「うん、すっごくおいしい!」
「じゃあ、味見させてよ」
蓮斗に言われて、詩穂はカトラリーケースを蓮斗の方に押した。そこには使っていないナイフとフォークが入っているのだが、蓮斗は首を左右に振った。
「いらないの?」
「違う」
蓮斗は視線で隣のテーブルのカップルを示した。見ると、彼氏が彼女にパンケーキを「あーん」とやっているところだった。
(あ、あれをやれってこと!?)
戸惑う詩穂に蓮斗が頷いてみせる。
「『俺も楽しんでいい』んだろ? あれ、やってよ」
まさしく悪巧みをしている顔でニヤッと笑った。楽しんでもいいのか、という彼の問いに、当たり前だと答えたのは詩穂である。抵抗するのは諦めて、スフレパンケーキにフォークを刺し、クリームをのせて蓮斗の方に向けた。