私が恋を知る頃に
それから数日して、退院の目処がついた。

色々なストレスから解放されたからか、私の胃の穴はすっかり塞がってきたようで、明日やっとお腹から管が抜ける。

部屋も、一般病棟に戻れるらしく、少し気持ちが楽だった。

今までいたICU?は、重い病状の患者さんが多くて、夜中も急にアラームが鳴ったと思ったら沢山の人が走ってきたり指示を出す声が聞こえて、緊張であまり熟睡は出来なかった。

……でも、嬉しいことが多い反面、退院が近付くことがまた不安でもあった。

…施設に一度も行ったことない時よりは不安は少ない。

でも、退院して嫌な目で見られたらどうしよう…、とかまた迷惑かけて怒られるんじゃないか……とか、まだ不安は尽きなかった。

ずっと病院に居たいなんてことは甘えだってわかってる。

ずっと居心地のいい場所で、誰も私を責めない場所でぬるま湯に浸かって居たいっていうのは私の弱さだから。

でも、でもでもでも…

やっぱり怖いよ……

怒られるのは、責められるのは怖い…

まだ、それを自分1人で耐えられるほど私は強くはなかった。
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