私が恋を知る頃に
園田先生に事情を説明すると、先生は驚いた様子だった。

それから、すぐに柔らかい笑みを浮かべうんうんと頷いた。

「なるほどね。それで、今悩んでるってことか。」

「はい…。良い刺激になれば良いんですが、逆方向に行ってしまうんじゃないか、って怖くて……」

「僕は、面会すごい良いと思う。確かに、さっきのパニックのことは気がかりだけど、むしろ良い方向に向かっていくんじゃなかなあ。」

少しふわふわした言い方に若干の不安を覚えつつも、相談した手前先生のアドバイスを受け取るしかない。

「あ、碧琉くん僕のこと信じてないな?顔に出てるよー」

「あ!いや!そんなつもりじゃ!」

急な心を見通されたかのような発言にドキッとして、明らかに焦った態度をとってしまう。

「ふふ、バレバレだよ?まあ、僕が根拠説明しなかったからだよね?怒ってないからそんな焦らないで~」

相変わらずのふわふわしたトーンに少し拍子抜けした。

「すいません。根拠、教えて貰ってもいいですか?」

「うん。えーっとね……」
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