黒と白の羽
鈴羅は、そのまま城をでようと、後ろに居た水虎に跨り森に行こうとした。




「レイラ!お待ちなさい!その傷で動くと危ないです!コチラヘ着なさい!」



お后とリールが鈴羅を呼んだ。



「・・・ありがとう・・・ございます。でも止めて・・・おきます・・・闇姫には・・・優しくすると、危ないで・・・しょう?気遣いだ・・・けで良いですよ・・・」


途切れ途切れに話す、鈴羅を哀れに思い・・・お妃は強行手段に出た。



「リーク!リクア!!レイラを寝室に運びなさい!」



リークに抱き上げられようとするが



『・・・主に触れるな!お前らもスグに主を裏切る!』


水虎が叫ぶ。


≪主は我らが癒す!触れるな。お前達もスグ主を捨てるのだろう?≫


紅龍も叫ぶ。


すると、水虎と紅龍の周りが淡く光る。



蒼い髪と銀の瞳の青年と紅い髪と銀の瞳の青年が現れる。



「・・・鈴羅に触れる事は俺たちが許さない」



「ッ・・・水鈴?紅鈴?」



鈴羅が青年達の名前を呼ぶ。



「居るわけ・・・ないか・・・水虎・・・紅龍・・・」



気を失う間際に自分で呼び呼び出した精霊の名前を呼んだ。



「いるっつーの」


はぁ、とため息を漏らす水虎と思う青年。



「・・・お前ら・・・何者だ?つーか・・・レイラの傷の手当て・・・」


リークはレイラを見る。
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