俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「俺は反省会とは言ったが『チームみんなで』とはひとことも言ってねえぞ。で、なんか文句あるのか?」
人食いオオカミみたいな眼で睨まれ、私は内心悲鳴をあげながら「な、ないです~」と引きつった笑顔で席に座った。
ただでさえ気乗りしなかった飲み会が、一気に拷問と化してしまった。周防さんとふたりきりだなんて、絶対に虐められるに決まっている。今すぐコンプライアンス窓口に駆け込みたい。
――ところが。
「とりあえず、おつかれ。乾杯」
「お、お疲れ様です……乾杯」
「ほら、いっぱい食えよ。腹減ってるんだろ」
「はぁ……どうも」
「そこ冷房寒くないか? 席変わってやってもいいぞ」
「いえ、大丈夫です」
何がどうしたのか。周防さんはものすごくフツーだった。
笑いながら手元のピスタチオでも投げつけてくるんじゃないかとヒヤヒヤしていた私は、あまりに普通な態度の周防さんに不気味ささえ感じてしまう。
(どうしたんだろう……よくない霊にでも憑りつかれたのかな)