俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
怪訝さ丸出しの私の視線も気にせず、周防さんはなんと私の分のサラダまで取り分けてくれた。ここまでされるともはや怖い。
けれど傍から見ればこの光景はまったく別のものに見えるらしく、近くの席の女性客がうっとりとした目で周防さんを見ている。多分『あんなにイケメンなのに気が利いて優しくていいな~』とか思われてる。
全然違いますよ! これは霊の仕業で、普段の彼は私の頭をノッカーかなんかと勘違いしてるドSですよ!と心の中で叫ぶものの、確かに客観的に見るとこんなイイ男なかなかいない。
「ほら」と言って取り分けたサラダの小皿をこちらに差し出す手は大きく男らしく、こちらが「どうも」と言って受け取ったときに「どんどん食べろよ」と言って微笑んだ顔は、芸能人顔負けの爽やかさだ。
彼の本性を知らなかったら、私だってきっとときめいてしまいかねない。
けれど残念なことに爽やかマスクの裏の顔を嫌というほど知り尽くしている私は、優しくされても恐怖を覚えるだけだ。
「そういえばお前、まだアレやってんの? 石にひなたぼっこさせるやつ」
サラダのトッピングの生ハムを口に運びながら、周防さんがそんなことを尋ねてきた。
「ひなたぼっこじゃありません、月光浴です。もちろんやってますよ。ちゃんと浄化してあげないと、パワーストーンの効果が弱まっていっちゃうんですから」