俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「ゆ……許します。もう全然怒ってないです。だから、あの……これからも、恋人続けてもらっていいですか……?」
涙をこらえながら言った私の声も震えていて、それを聞いた周防さんの抱きしめる力がますます強くなったのを感じた。
「ばーか。当たり前だろ。お前が恋人やめたくても、俺が続けるって言ったら続けるんだよ」
私の首筋に強く顔を押しつけた周防さんの声はくぐもっていて、それはいつもの傲慢な台詞のように聞こえたけれど。
「……サンキュ」
短く付け加えられたそれだけは、もしかしたらこの先一生聞くことがないだろうと思わせるほど、彼らしくないしおらしい声だった。
しばらくただ黙ってお互いのぬくもりを感じていた私たちだったけれど、体を離したのは火にかけていたケトルがお湯が沸いたのを報せたからだった。
慌ててコンロへ行き火を止め、沸いたお湯でさっそくお茶を淹れる。もう遅い時間なので、ノンカフェインのハーブティーにした。
「はい、飲んでください。体あったまりますよ」
部屋にあったクッションに座り直した周防さんのもとへ行き、マグカップをひとつ差し出す。
周防さんはそれをひと口飲むと「はー……あったまる……」としみじみと息を吐きだした。
「周防さん、やっぱりお風呂入ったほうがいいですよ。お茶だけじゃ体あっためきれませんって。お湯溜めてくるから待っててください」