俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
「ちなみにダイヤってどんなパワーがあるんだ?」
「意志を強くするとか心の浄化とか色々あるけど……やっぱり一番は『永遠の絆を結ぶ』かな」
「そっか。エンゲージリングにぴったりだな」
私の指にきらめくリングを通した周防さんは、まっすぐにこちらを見つめて言う。
「健やかなるときも病めるときも、永遠に梓希を愛すると誓う。だから俺と結婚してください」
ちょっと気の早いようなその台詞に、私はあふれて止まらなくなった涙を零しながら「はい」と答える。
そのまま周防さんの胸に飛び込めば、力いっぱいの包容で受けとめてくれた。
「好きだよ。愛してる。梓希」
「私も。あなたが……遥さんが世界で一番大好きです」
感激と彼への愛しさのままに呼びかければ、口からは自然と苗字ではなく名前が出た。
すると周防さんの動きがピタリと止まり、驚きと恥ずかしさと感激を混ぜこぜにした表情で私を見つめた。
「……やっと呼んだ。お前、俺が名前で呼ばれるのどんだけ待ってたことか……」
「え、そうだったんですか? なんかすみません……」