俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
昨日ひたすら寝まくったせいか、今日は朝早く目が覚めた。時計を見るとまだ午前七時前だった。
まだ少し体がだるいけれど昨日よりはだいぶよくなったと、ベッドから体を起こして思う。
調子がちょっとよくなったせいか、体が汗で汚れていることが気になりだした。そういえばおとといは会社に泊まり込みだったせいで、かれこれ二日もお風呂に入っていない。
シャワーを貸してもらおうと思い、周防さんの買ってくれたランジェリーの袋と自分の服を持って静かに部屋を出る。すると。
「あ……」
寝室と繋がっているリビングのソファで、周防さんが寝ているのを見つけた。
(そっか、そうだよね。私がベッド取っちゃったから周防さん寝るとこなくなっちゃったんだ)
昨日は熱があったせいで頭が働かず、そんな当たり前のことにも気づけなかった。
ソファはゆったりとした二人掛けのものだけれど、背の高い周防さんが寝るには少し窮屈そうだ。ひじ掛けから脚がニョッキリはみ出てる。
(これじゃ疲れとれないよ……)
私は足音を忍ばせるとソファに近づき、落ちかけていた毛布を掛け直した。
規則正しく寝息を立てている周防さんは起きる気配がない。初めて見る彼の寝顔がなんだか珍しくて、私はソファの脇にしゃがみ込むとしみじみと寝顔を眺めた。
瞼を閉じた無防備な顔のせいか、いつものような威圧感がない。それどころか、あどけなくて可愛い気さえする。