「パク、早く戸締まりして。」
悪夢の中の生き物達は、人の存在を感じ、夢の中に進入してくる。その事を防ぐためには、人がそこにいる事を感じさせないようにするしかない。夜はひっそりと生きる。これが、この村の習慣だった。そのためにも、光を外に出さない必要があった。
「うん、わかった。」
急いで、家中の窓を閉める。あっという間に、家の中は真っ暗だ。パクは、小さなランプに火を灯すと、ゆっくりと母親の元へと歩いていった。
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